さくらインターネットのIoT事業について

さくらインターネットのIoT事業について

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■IoT関連2つのソリューションについて

こんにちは、さくらインターネットでIoT関連の事業を担当させて頂いている山口です。2018年2月からセキュアモバイルコネクトというサービスの提供を開始させていただいたのですが、一昨年からやらせていただいていたsakura.ioというサービスとの違いがわかりにくい、今後はどちらに力を入れていくのか?といったお声を頂くことがあったので、どのような事をさくらインターネットとしてやらせて頂いているのかについて、書かせていただきたいと思います。

さくらインターネットのIoT事業

■風が吹けば桶屋がもうかる?ってのをちゃんと知りたい

さくらインターネットがもともと何をしたかったのか?というと、データの関連性/相関性を世界でシェアできるそのためのプラットフォームを作りたいということになります。

風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざを聞いたことがあるかと思います。これは、可能性の低い因果関係を表すものですが、これから様々なモノコトのデータが情報になり、ネットワークで共有されAIやロボティクスによって活用される、情報中心の世の中になっていくと言われています。このような世界になってくると、どのようになるでしょうか?

さくらでは、IoTそのものでなにかができるということではなくて手段として位置づけています。まずは人々の生活の中からなんらか変化や活動量、変化量などのデータがIoTの領域の技術を活用され、ネットワークに上がってきます。そのデータがAIの領域の技術を使って何らかの情報になり、その情報をきっかけにしてロボティクスの領域の技術を使って生活に何らかのリアクション/アクションを起こし、またその変化を検出して・・・

という情報をキーにした世の中になっていくと考えています。

情報中心の世界
情報中心の世界

 

いままでは、風が吹いたことと、桶屋がもうかったことの情報がないまたは共有されていなかった状態だったのが、情報が取得され共有され関係性/相関性がわかってくるとどうでしょう?直接的に計算がしたりするものばかりでは無いと思いますが、なかなかにおもしろい世の中になってくるのではないでしょうか?

■モノ/コトをネットワークに繋げるためのプラットフォーム

さて、では情報中心の生活が来るとして、いまの状況で情報中心の生活の妨げになるものって何でしょうか?ちょっと皆さんの今のまわりのモノを見て頂きたのですが、電気が通っているものってどれだけありますか?

次に、それがデータを受け取り、ネットワークに送れるようになっているものはどれだけありますか?

今は情報化社会と言われていますが、そんな世の中の現在でさえつながっているものは、スマホ/PC/タブレット/TV位が大部分では無いでしょうか?

それ以外にもたくさんあるという方もいますが、やっぱり殆どはどこにもデータを残さず、モノコトのデータは消えていっているのがほとんどだと思います。なぜか?

僕らのまわりにある物は、必ず誰かの手によって作られていて、作られているということは、誰かの技術が使われています、実のところ電気製品の中身をつくる技術と、データを送ったり受け取ったりする技術、それを受け取って活用したりする技術というのは、まるで違う技術分野を必要とします。

IoTというものは、提供していく側からすると、今までは他の技術領域のもの、他の誰かがやっていたものをつなげていく事が必要で、これまではその壁は技術的にも、コスト的にも想像以上に高かったのです。電気製品を作る技術者にインターネットの向こう側むけにデータを投げる物を作れと言って、できる人は少数ですし、それを外部に作ってもらうとなると大変と、こういった事を踏まえて、当初さくらインターネットがはじめたのが、 sakura.io です。

これは、電気製品を作る技術者が普段使っている電気信号を、インターネットでやり取りをするシステムを作っている技術者がつかう、JSONというものと双方向に変換し、「つなぐ、ためる、れんけいする」という機能を、通信モジュールを含めて提供している極めてセキュアなプラットフォームです。

sakura.ioの仕組み

これによって、双方の技術者がいままの技術領域を大幅に拡張することなく、モノコトをネットワークにあげる事が可能になりました。

■セキュアモバイルコネクトが提供する通信

じゃぁそれで良いじゃんって感じになりそうですが、お客様から「これから作る製品は良いのだけれども、いままで作ってしまった製品に組み込めない」というお声や、「sakura.io のセキュアな通信の部分だけを使いたい」というお声を頂くことがありました。

実際何社かに伺った事をまとめると

  • 普段は殆ど通信をしていないがものすごく数が多い
  • 通信する時は高速に通信したい
  • セキュリティはさくらインターネットで守っておいて
  • あ、あとお金はあんまり払いたくない

という、なんとも提供側にはハードルの高いご要望があることがわかりました。これらの背景には、利用者側で電気信号とネットワークの壁をなんとか乗り越えたら、今度はセキュリティと通信コストの壁があったということかと思います。

現状SIMを使った製品というのが世の中に出てきていますが、通信部分についてはインターネットを経由するもので、そのセキュリティは使っている側が担保する、またはモノの中にパソコンで使っているようなセキュリティソフト等を入れて担保してもらうというものが殆どかと思います。

先日提供を開始した、さくらのセキュアモバイルコネクトは、sakura.io で実現していた、インターネットを経由せず、さくらのクラウドの内部ネットワークに、閉域網でつなげることができる通信部分だけを、皆さんに使えるようにしたというものと思っていただけるとわかりやすいかと思います。

こういったサービスは、今までもキャリアが提供されていましたが、初期コストや運用コストが極めて高いため、利用できるサービスは限定されていました。

セキュアモバイルコネクト

 

セキュアモバイルコネクトの価格については、SIM1枚の月額基本料金12円、最大1万枚まで登録できる利用者専用のクラウド内部ネットワークの価格が6,400円と極めて安価であり、コストの面からもセキュリティの面からも利用の裾野を広げることが出来たかと思います。

■データを流通させるプラットフォーム

はじめに書きましたが、さくらインターネットが作っていきたいのは、データの関連性/相関性を世界でシェアできるそのためのプラットフォームです。

とにかく安全に安くネットワークにデータを上げやすくする 、ということにこだわりをもってサービスの提供をしています。sakura.ioは「つなぐ、ためる、れんけいする」というプラットフォームを、セキュアモバイルコネクトはセキュアな通信を提供しています。これらを利用していただいた最終的な利用者がつかうサービスが、より安価でセキュリティへの不安が少ないものにすることができれば、様々な製品がネットワークにつながるサービスが数多く提供されるようになり、データをいろいろな形でやり取りをしていただけるようになっていくと考えています。ですので、どちらかしかやらないというわけでは無く、両方のサービスを進めていきたいと考えています。

sakura.ioとセキュアモバイルコネクト
sakura.ioとセキュアモバイルコネクト

 

サービスを元にあつまる精度や粒度が異なった様々なデータを、どのようにやり取りしていただくかや、集まったデータの分析解析するための基盤提供、どのデータとであれば相関性や関連性があるのかといった、情報を提供できるプラットフォームを作っていき、それぞれのサービスの拡充できると良いですね。

■それはそれとして

さくらインターネットでは、殆どのサービスは自分たちで作って提供させていただいています。sakura.ioのハードウェア設計やその中で動いているソフトウェア、プラットフォーム側の仕組み、セキュアモバイルコネクトや、連携するクラウド側のシステムは、どこかの製品を買ってきて運用しているのではなく、多くのエンジニアが実際にコードを書いて作っています。

そういえば最近は、「リモートワーク」が可能で「好きなPCを使うこと」ができ「DockerやGitを使ったモダンな開発環境」で「OSS等に貢献したり、業界で名が知られているトップエンジニアが働く環境で」働きたいというエンジニアが多いらしいですね!

それ、弊社全部やってますし、できます!!

他にも、さぶりこっていう働きやすさを煮詰めたような制度も整えています。

  •  自分たちでクラウドやプラットフォームの仕組みを創りたいエンジニア
  •  データの相関性/関連性を世界でシェアできる仕組みを創りたいエンジニア
  •  日本初のフルMVNOの仕組みを自分たちで作っているからこそできる、新しい通信の世界を創りたいエンジニア

今後さらに仕組みの拡張をしていきますので、上記のようなやってみたいことがある方はぜひとも僕らのチームに入っていただけると嬉しいです!

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